2013年8月19日月曜日
蚤の市のプロイセングッズ
蚤の市のプロイセングッズ
10k2085 島田和加子
1.はじめに
「プロイセン」とは、ドイツ帝国形成時中心的存在であったプロイセン王国を始め、プロシア公領などいくつかの国・地域を示す。位置・時代は違えども、いずれも現在のドイツ連邦共和国形成に欠かせない存在である。今回私は、ベルリン市内の5つの蚤の市を対象にプロイセンにまつわる品がどのくらいあるのか、またどのようなものがあるのか調査した。2.プロイセンモチーフ
前述した様に「プロイセン」が示す国・地域は複数存在し、当時の品であるか、プロイセンをモチーフとして作られているか判断することは難しい。そのため今回の調査ではプロイセングッズとは何かを厳密に定義せず、プロイセンの紋章・国章・国旗が入っている品、プロイセンの表記がある品、該当する時代に存在したと確認できるものなどプロイセンにまつわる品を広く対象とする。表:5つの蚤の市
Steglitz蚤の市
|
Ostbanhof蚤の市
|
6月17日通り蚤の市
|
Mauerpark蚤の市
|
Boxhagener蚤の市
|
プロシア公領国章
プロイセン王国紋章
図:上から順にプロシア公領国章、プロイセン王国紋章、プロイセン王国国旗(Wikipediaより)
3.プロイセングッズ
調査した結果、5つの蚤の市のうち3つでプロイセングッズが確認できた。Mauerpark蚤の市とBoxhagener蚤の市では発見できなかった。傾向としてグッズが確認できた蚤の市は、私が見た限りではいずれも若者向けではない市であった。グッズとしてプロイセンの黒鷲と十字がモチーフとなっている品が多く、コイン・切手などは比較的安価で数多く見ることができた。プロイセン王国が軍国、元を辿れば騎士団であったこともあり、軍服が描かれたものやアイアンクロイツ(鉄十字)など軍関係の品も多く確認できた。こちらは比較的高価であった。アイアンクロイツとはドイツを中心に中世以来使用されてきた紋章であり、通常は鉄十字の意匠を象った勲章を指す。プロイセンでは主に戦功のあった軍人に対し授与された。
4.蚤の市別の特徴
1)Steglitz蚤の市この蚤の市は調査した内で1番規模が小さく、地元民向けのものであった。ドイツの昔の品を扱っている方の店があり、この蚤の市ではこの店のみでプロイセングッズを確認できた。古い写真、プロイセン王国時代を描いたポストカード、アイアンクロイツ、軍服を描いた本など様々な品を見ることができた。
Steglitz蚤の市
ドイツの昔の品を扱っている店
アイアンクロイツの勲章(60€)
プロイセンにまつわる古い写真(6€)
プロイセン軍軍服を描いた本(20€)
2)Ostbanhof蚤の市
この蚤の市では「家庭の不要品を売るフリマとしての出店」が禁止されているため、商売で中古品を扱っている出店者が多く、服などの日用品は少なかった。シャンデリアや小さなタンスなど家具的な物、食器のセット、本や切手を扱う店が多かった。多くの店に少しずつ黒鷲モチーフの切手やワッペン、アイアンクロイツ(20~30€)があり、プロイセン国王フリードリヒ二世の描かれた切手(20€)も確認できた。
Ostbanhof蚤の市
小冊子(5€、7€、4€)
フリードリヒ二世の記念封筒(3€)
またこの蚤の市は毎週開かれているが、5月1日、10月30日は特に大きく、DDR時代のものを多く見ることができるようだ 。
3)6月17日通り蚤の市
この蚤の市は観光客が多く、陶器のみ、貴金属のみなど専門の商品に特化した店が多く見られた。全体的に見て骨董品を扱う店が多く、陶器やシルバー(スプーン・ナイフ・フォーク)、毛皮のコート、コインなどが売られている。
プロイセングッズとしては、アイアンクロイツやメダル、プロイセン国王の描かれた切手、黒鷲の切手1900年代初頭のコインなどが確認できた。多くの蚤の市が日曜日のみの開催であるが、この蚤の市は土曜日も開催しているようだ 。
フリードリヒ二世の切手(20€)
黒鷲の切手(25€)
1900年代初頭のコイン(3つで2€)
<参考資料>
登録:
投稿 (Atom)