2013年6月24日月曜日

KaDeWeの商品はどの程度高いのか?

KaDeWeの商品はどの程度高いのか?
―スーパーマーケットの食品価格との比較―

10k2026 松田芽生


目次
 1.はじめに
 2.KaDeWeとは
 3.比較したスーパーマーケット
 4.ハム・ソーセージの比較
  4-1.ショーケースで売られているもの
  4-2.パックされ棚に陳列されて売られているもの
 5.チョコレートの比較
  5-1.ショーケースでばら売りされているもの
  5-2.箱で棚に陳列されて売られているもの
 6.その他の食品の比較
  6-1.バームクーヘン
  6-2.レープクーヘン
 7.まとめ


1.はじめに
 ドイツの百貨店であるKaDeWeは一般的に高いというイメージがある。では一体どのくらい高いのだろうか。そこで私は、老舗百貨店であるKaDeWeとベルリンにあるスーパーマーケットの食品の値段を比較した。調査したスーパーマーケットは二か所であり、対象とした食品は主にハム・ソーセージとチョコレート。なお、価格の比較の際に使用している値は、特別に記してない限り100gあたりの価格である。

KaDeWe


2.KaDeWeとは
 KaDeWeとは、1907年に創業されたドイツの老舗の百貨店である。KaDeWeという名称は、Kaushaus des Westens(カウフハウス・デス・ヴェステンス)の頭文字を取ったものであり、「西のデパート」と訳すことができる。
 営業時間は、月~木曜日は10:00~20:00、金曜日は10:00~21:00、土曜日は9:30~20:00で、日曜日と祝日は休業日となっている。また、AMEX、ダイナース、JCB、マスターカード、VISAのクレジットカードを使用することもできる。
 また、KaDeWeのホームページによれば、販売エリアは六万平方メートル以上、従業員数は約二千人。地下1階から7階まであり、特に6階のグルメフロアーが魅力である。最寄駅は、地下鉄(U3)Wittenbergplatz駅。


Wittenbergplatz駅



3.比較したスーパーマーケット
 今回私が比較に使ったスーパーマーケットはEDEKAとULLRICH。EDEKAグループは、ヨーロッパで最大の流通業者であり、ドイツ食品小売市場で26%の占有率を保持する。また、設立は1898年である。ULLRICHは、ベルリンで三店舗出店しているスーパーマーケットで、私はZoologischer Garten駅にある支店を調査した。


Zoologischer Garten駅前のULLRICH


4.ハム・ソーセージの比較
 ハム・ソーセージは、KaDeWe、スーパーマーケットともに、ショーケースに入って売られているものと、元からパック詰めにされ棚に陳列しているものと、大きく二種類がある。

4-1.ショーケースで売られているもの
 ショーケースで売られているものの値段の違いは、下の表1のようになった。ハムはKaDeWeのものがスーパーマーケットのものより二倍近く高く、ソーセージは三倍近く高いことがわかる。また、スーパーマーケットでは大きなショーケースが一つだったのに対し、KaDeWeでは、ショーケースに入ったハム・ソーセージのコーナーだけでもいくつかに分かれており、それぞれのショーケースの上に産地と思われる州や国の名前が書いてあった。オーストリアやバイエルン、シュバルツバルト、ホルスティン、ヘッセンといった名前を確認することができた。
 

表1:ショーケース販売されているハム・ソーセージの価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット(EDEKA)
ハム
3ユーロ代後半
1ユーロ代後半
ソーセージ
3ユーロ代後半
1ユーロ強


ショーケース上にHESSENの文字 

スーパーマーケットのショーケース



4-2.パックされ棚に陳列されて売られているもの
 パックされて売られているソーセージの値段は、KaDeWeとスーパーマーケットであまり差がなかった。KaDeWeの商品の平均値段がショーケースのものと比べて大きく下がったためだろう。また、置いてある商品には両者で同じものが多くみられた。なお、ハムもパック売りされていたが、ここでは省いた。


表2:パックで販売されているソーセージの価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット(EDEKA)
ソーセージ
1ユーロ代半ば
1ユーロ強


KaDeWeのハム・ソーセージの棚



5.チョコレートの比較
 箱に入ったチョコレートは、KaDeWeでもスーパーマーケットでも多く売られているが、そのほかにKaDeWeではショーケースに入っており、一粒や100g当たりの値段で売っているものがあった。また、KaDeWeで売られているチョコレートは、箱に入って棚に陳列されているものも、ショーケースでばら売りしているものも、どちらもほとんどが各国の有名ブランドのもので、相当多くのブランドがそろっている。

5-1.ショーケースでばら売りされているもの
 ショーケースでの販売は、15のブランドがしている。GODIVAやWagner、neuhaus,、teuscherなど、ドイツのブランドだけでなく、ヨーロッパ各国のブランドのものが売られていた。平均価格は約6.2ユーロで、価格の幅は2.5ユーロから8.95ユーロであった。


ショーケース販売の様子

Wagnerのチョコレート(100g5.75ユーロ)



5-2.箱で棚に陳列されて売られているもの
 箱で売られているものは、調査したところ最低でも22のブランドのものがあった。ショーケースのものと同様に、KaDeWeではドイツのチョコレート以外にも、イギリスやベルギー、スイス、オーストリア等、さまざまなヨーロッパ各国のチョコレートが販売されている。一方、スーパーマーケットでもKaDeWeにあるようなブランドチョコレートも見かけた。ただし、種類はだいぶ限られているようだ。また、反対にKaDeWeにもスーパーマーケットで手軽に買える類の商品も売っており、同じ商品をスーパーマーケットの価格と比べると大抵のものはスーパーマーケットの方が安く売られていた。しかし、両方の平均値段を出すと、下の表3のような結果となり、そこまで大きく値段の差は出なかった。
 
表3:チョコレートの価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット
ショーケース販売
6ユーロ代前半
―
箱売り
3ユーロ代半ば
3ユーロ代前半


KaDeWeの箱で売られているチョコレート

KaDeWeオリジナルのチョコレート

 スーパーマーケットで売られるチョコレート  

スーパーマーケットで売られるブランドチョコレート



表4:ドイツで親しまれている板チョコレート「ritter SPORT」の価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット
SCHOKOWÜRFELシリーズ
3.28ユーロ
2.49ユーロ
Miniシリーズ
1.98ユーロ
1.49ユーロ



Miniシリーズ

SCHOKOWÜRFELシリーズ



6.その他の食品の比較
 最後に、その他の食品の比較として、バームクーヘンとレープクーヘンの値段の比較をする。スーパーマーケットの店員の方の話によると、どちらもドイツのスーパーマーケットではクリスマスの時期にのみ販売しているとのことで、置いてある店とまだ置いていない店があった。

6-1.バームクーヘン
 KaDeWeと二か所のスーパーマーケット(EDEKAとULLRICH)で見たが、それぞれで取り扱っているメーカーが異なっており、値段も違っていた。特に、KaDeWeで売られていたものは、スーパーマーケットで売られているものと比較して非常に高価な商品であった。このSchwermerのバームクーヘンとは、1900年のパリ万国博覧会で金賞を受賞した商品で、Schwermerという会社はドイツで100年以上の歴史を持つ老舗チョコレートメーカーのものである。また、ULLRICHで売られていたLAMBERTZのバームクーヘンも1688年創立の老舗のバームクーヘンということが分かった。

表5:各店取扱いバームクーヘンのメーカー及び価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット
EDEKA
ULLRICH
メーカー名
Schwermer
EDEKA
LAMBERTZ
値段/グラム数
7.75ユーロ/200g
1.65ユーロ/300g
3.29ユーロ/300g


Schwermerのバームクーヘン

LAMBERTZのバームクーヘン



6-2.レープクーヘン
 レープクーヘンとは、ドイツの伝統的なお菓子の一つで、クリスマスの時期に食べられる。KaDeWeでは、チョコレート売り場の一画にクリスマスに食べるお菓子だけを集めたコーナーがあり、そこにレープクーヘンが置いてあった。中にはかわいらしい缶の中に入っているものや、オルゴール付きの箱に入ったものも売っていた。スーパーマーケットでは、そのような凝ったパッケージのものは見かけなかったが、袋に入ったものはKaDeWeと同じもの(Heaberlin-Metzger社のもの)で、だいぶ安い値段で売られていた。しかし、大きいサイズでチョココーティングとシュガーコーティングのもの両方が入った商品はスーパーマーケットでは置いてなかった。

表6:レープクーヘンの価格の違い

KaDeWe
スーパーマーケット(ULLRICH)
大きいサイズのもの(チョコ)
7.98ユーロ
3.99ユーロ
大きいサイズのもの(ミックス)
6.98ユーロ
―
小さいサイズのもの
4.98ユーロ
2.39ユーロ



KaDeWeのクリスマスコーナー

大きいサイズのもの(チョコ)

小さいサイズのもの



7.まとめ
 KaDeWeとスーパーマーケットの食品の価格を比較してみて、ハム・ソーセージ、チョコレート、その他お菓子など、どれもほとんどの商品がスーパーマーケットの方が安く売られていることが確認できた。ハム・ソーセージとチョコレート、どちらにおいてもショーケースに入っているものはKaDeWeの方が充実しているが、棚に陳列されているものでは同じ商品もあり、その場合では大抵がスーパーマーケットの方が少し安い価格設定になっているが、それほど価格の違いはなかった。
 さらに、レープクーヘンは同じ会社の同じ商品にもかかわらず二倍近い価格の差があった。また、バームクーヘンもKaDeWeで売られていたものはEDEKAで売られていたものに比べ四倍以上の価格であった。しかし、スーパーマーケットでは浅い段ボールのようなものに入れられ山積みで棚に置いてあるのに対し、KaDeWeでは綺麗に棚に並べられていたり、KaDeWeのものはラッピングにリボンがつけられていたりといった違いがあった。
 KaDeWeはスーパーマーケットに比べて品揃えがよく、ドイツ以外の商品も多く扱っていた。さらに、店員のサービスの質も良く、英語の話せる店員がいたり、クレジットカードが使用できるため、海外からの訪問者には利用しやすい。また、スーパーマーケットでは商品を入れる袋は有料なのに対し、KaDeWeでは無料でKaDeWeロゴマーク入りの袋に入れてくれるといったサービスの違いも見られた。
 KaDeWeで売られているものは高い、というイメージは確かに間違ってはいなかった。だが、スーパーマーケットではないサービスや便利さといった価値があった。商品そのものの価格だけで比較してしまうとKaDeWeはスーパーマーケットより高いという結論になるが、それに付随するサービス面や便利さといった価値を考慮すると、一概にKaDeWeが高いとはいえないのかもしれない。


<参考資料>
KaDeWe "KaDeWe Berlin"  2013.2.10アクセス
サカタウエアハウス株式会社(2009「サカタウエアハウス株式会社ロジスティクス・レビュー第175号」  2013.2.10アクセス
EDEKA "Willkommen bei EDEKA"  2013.2.10アクセス
ULLRICH "ULLRICH –Verbrauchermarkt"  2013.2.10アクセス
Schwermer "Schwermer"  2013.2.10アクセス

 

2013年6月12日水曜日

はじめに



 2012年度、愛知大学国際コミュニケーション学部の演習科目国際フィールドワークにドイツコースが加わった。

 他のコースと同じようにドイツコースも1年を通じて開講される。
 2012年度は、
  • 春学期:事前授業
  • 夏期休暇中の現地調査:9月1日(金)から9月15日(木)までの13泊15日(14泊目は機内)
  • 秋学期:調査結果の報告、レポートの作成、さらに年度末の報告書の作成
というスケジュールであった。

 このサイトは、年度末にまとめた紙媒体の報告書、すなわち『ドイツフィールドワーク報告書(1) ―ドイツ現代史の観光資源化―』をウェブ版に練り上げたものである。


 * * * * * *


 授業の目的について述べたい。 

 国際フィールドワーク・ドイツの目的は、学生にフィールドワークの方法を習得させることにあった。
 そのうえで、学生に強調したのは以下の二点である。

 第一が、具体的なモノに注目することである。実はフィールドワークは慣れ仕事としての性格が強く、習得は一筋縄ではいかない。全くの初心者に2週間一回きり、しかも母語がほとんど通じない環境下でフィールドワークを有意義に経験してもらうには、ある程度の具体性が必要と考えたからだ。

 第二に、学生にはできるかぎりオリジナルなデータを集めることも課した。価値のある情報を適切な形で世間一般に提供するという一連の実践、それを学生に教えることがいかに重要であるかは日々痛感しているが、まず第一に「価値がある」とはどんなことなのかから分からなければならない。そのためには「まだ誰も言っていない事実」を見つけさせることが最適である。

 こうして学生が作り上げたものが以下に続く各個人調査報告である(またイーストサイドギャラリーの全壁画の記録も同じ観点から取り組んでいる)。

 一方で、参加学生には英語で質問表を用いた調査に取り組んでもらった。ほとんどはドイツ語が不得手であったが、たとえそうだとしても聞き取り調査は経験する価値があるという考えからである。予想以上に学生が楽しんでいたことは今思い出しても嬉しい。そのまとめが「聞き取り調査のまとめ」である。



 * * * * * *


 以上のような教育面以外に課題となったのがセキュリティに関してであった。ドイツは治安が良いと言っても、学生はどこのなにが危険なのか皆目見当がつかない。そうした中でトラブル無しに全日程を済ませることができたのは学生たちが引率側の指導に忠実に従ったからであろう。


 また“2週間ぶっ続けの授業”というのも、教員にも学生にも初めての経験であった。お互いに多少のストレスがたまるにもかかわらず、現地調査をやり遂げ、さらにこうして報告書までまとめることができた。参加学生に感謝したい。

 この授業で得た経験を今後の暮らしの中で活かすことができれば、望外の喜びである。


 最後になるが、このプログラムをバックアップしてくれた愛知大学ならびに国際コミュニケーション学部の関係者全員に深く感謝したい。

 私たちのフィールドワークが本学本学部の発展に少しでも寄与できればと思う。





岩田 晋典

クライダーシュペンデ Kleiderspende


クライダーシュペンデ
10k2088   秦早織
10k2092 八津川夏美



1.はじめに
環境保護先進国と言われるドイツでは、ごみのリサイクルやその回収システム、エコバッグの利用、さらには政治レベルでも、環境保護を政策の中心にしている「緑の党」が政権に参加するほどであり、人々のエコに対する意識は高い。そんな中で、私たちは衣類の寄付という面でのリサイクルについて関心を持った。それが、「Kleiderspende」である。

 以下は、クライダーシュペンデの概要、設置団体の紹介、回収後のリサイクルルートについての報告である。



2.Kleiderspende(クライダーシュペンデ)とは
ドイツ語で「Kleider」は「衣類」、「Spende」は「寄付」を意味する。ただし、日常的には、衣類を回収するために設置された大きなボックス自体も指すようだ。この報告でも同様の意味で用いることにする。

 また「Kleider」と言っても、衣類のほかに、靴、かばん、シーツ、毛布、ベルト、帽子などさまざまなものを寄付することができる。


  クライダーシュペンデはベルリンだけでなくドイツ中に設置されており、一か所におけるコンテナの設置数は、団体によって1個から3個と様々である。私たちがベルリンで見つけたクライダーシュペンデは、住宅街や駅前、大きな通り沿い、公園の近くなどに設置されていた。いつでも誰でも気軽に寄付をすることができるようになっている。

この写真のように、通常コンテナには寄付についての注意書きが貼られている。注意点として以下の4つが一般的なようだ。
  1. 濡れていたり汚れていたりする物は入れない
  2. 靴はバラバラにならないようにひとつにまとめて入れる
  3. 寄付する物をビニール袋などにまとめ入れる
  4. まとめた袋が多い場合は家まで回収しに来てもらう:但し、回収しに来てもらえる袋の個数は団体によって異なる




3.設置している団体
クライダーシュペンデを設置しているのは、おもにNGOや赤十字などの団体と繊維会社などの企業であった。以下は、私たちがベルリンで調査したクライダーシュペンデを設置している団体と企業である。いずれの団体も児童支援を行っている。

3-1.ドイツ赤十字社
ドイツ国内に約25,000個のクライダーシュペンデを設置している。3袋以上で家まで回収しに来てくれる。
見つけた場所:Wollinerstraße、Lindenstraße









3-2.Familienschutzwerk
児童支援や病気の子供たちへの支援をしている団体。5袋以上で家に回収しに来てくれる。
見つけた場所:Straße der Einheit、Lindenstraße(宿泊したホステルから徒歩10分程の所)









3-3.BERA Textilrecycling GmbH
古着を回収し卸売する業者。児童救援組合を支援。
見つけた場所:Wollinerstraße




3-4.AKZATextilrecycling
繊維製品の再利用・再加工をし、東欧や海外に転売する業者。ベルリンを拠点。
見つけた場所:Wollinerstraße



3-5.HaytexTextilrecycling
繊維会社。小児ガン患者や困窮児童を支援している。
見つけた場所:Alte Jakobstraße





4.ドイツにおける衣類リサイクルの歴史

リサイクルには、実は古い歴史があり、時代は古代中国までさかのぼる。当時から、古着を繊維に加工し、再生糸や製紙原料にする再資源化が行われてきた。7世紀になりその技術がアラブ世界を渡り、スペインへ伝わる。その後、効率的な機会が開発されたこともあり、衣類の再資源化が中部ヨーロッパに広がった。

 製紙原料としての衣類の利用は、ユダヤ人の得意分野として成長し、19世紀まで彼らが市場をリードした。そして、衣類のリサイクル産業の発展とともに、ドイツでは多数の分別産業場と再資源化工場が誕生し、第二次世界大戦頃には、ドイツの衣類のリサイクル産業はピークに達した。

 ドイツ赤十字社により始めて衣類が収集されたのは、1964年のことで、ハンブルクでの洪水被害者のだめに行ったのがきっかけだそうだ。

図:ドイツにおける繊維製品リサイクルルート







5.回収後のリサイクルルート

ドイツの繊維製品リサイクルシステムは赤十字社を中心に、民間による自主的な活動で構成・運営されている。また、赤十字社等の非営利団体の役割として、市民に衣料・繊維製品の回収協力をPRし、コンテナ回収などを自己負担で行う、あるいは古着引取所で回収・保管することが挙げられる。

 ドイツで年間に発生する衣類は、年間で約87万tと予想され、実際に収集されるのは、その約65%の58万t。そして、このうちの約半分は海外に輸出されているそうだ。回収された衣類は、①そのまま衣料品として再利用できるもの、②質は落ちるが衣料品として利用可能なもの、③作業用の雑巾・再生糸などに利用するもの、④再利用できないもの=ゴミの4つに分別される。この分別作業に従事する労働者数は、輸送や事務も含め、ドイツ国内で約1万人にのぼる。

 独立行政法人中小企業基盤整備機構のウェブサイトによれば、回収された衣類のリサイクルルートである。ドイツ赤十字社を例に挙げると、まずは家庭、事業所や繊維関係の産業から寄付をされる。その後、国内の救援物資として使用されたり、繊維製品選別業に送り、さらに各業者へ分類されたりする。ただしこの時、衣類の一部は赤十字社が繊維製品選別業から再び買い戻し、今度は海外の救援物資として活用される。以前は、アフリカやルーマニア、ポーランド、ロシアなどへの輸出が盛んであったが、近年では徐々に市場規模が減少傾向にあるようだ。




6.ドイツにおけるエコの意識

日本で、家庭や事務所から出るゴミの約80%が焼却されているのに対し、ドイツの焼却量は約25%である。しかも、ゴミ収集の徹底化、高温で焼くことによってダイオキシンの発生を抑制するなど、環境向上のため様々な工夫を行っている。けれども、ドイツの取り組みはこれだけではない。以下は、その具体的な2つの例を挙げていく。

 1つ目は「緑のマーク」についてである。一般的に、家庭のゴミは自治体が有料で回収するのだが、この「緑のマーク」がついたものはマークを管理しているDSD社という会社が無料で回収してくれる。よって、消費者は必然的に「緑のマーク」がついた商品を購入するようになる。

 2つ目はデポジット(預かり金払い戻し)制である。水など飲料用のビンやペットボトルには、あらかじめ商品に容器代が含まれている。そして、空になった容器をスーパーへ持っていくと、容器代が返金されるというシステムである。結果、前記同様に消費者は、必然的に容器を返却しに行く。



このように、ドイツでは社会全体でゴミの分別を徹底している。







7.まとめ
ベルリンの街を歩いていると、案外いたる所でクライダーシュペンデの箱を見つけることができ、実際に私たちも不要になった衣類を回収コンテナに寄付をした。まとめた衣類をそのままコンテナに入れるだけなので、非常に便利である。そして、これはエコにも深く繋がる。例えば、まだ十分きれいなのに、着れなくなってしまった衣類を捨てるのは気が引けるだろう。そんな時、気軽に寄付をできれば、ボランティアもエコできるという一石二鳥である。

 残念ながら日本ではこのコンテナシステムは、ほぼ取り入れられていない。2001年に「家電リサイクル法」が施行されたが、リサイクル費用は消費者が負担するため、不法投棄も問題視されている。まずは、私たち個人がエコに対する意識を高める必要があるだろう。少しでも、余分なゴミを減らせるよういつか日本でもドイツのようなシステムが導入されることを願う。



<参考資料>
浜本隆志・高橋憲 2002「現代ドイツを知るための55章」明石書店
松田まさお 2007「ドイツ 人のまちづくり」学芸出版社
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 2010「第3章 海外の繊維リサイクルに関する取組み」、『「繊維製品3R関連調査事業」報告書』(閲覧日 2012年10月4日)
「ベルリン観光ガイド・通訳・翻訳のベルリンJPツアー」http://berlinjp.com (閲覧日 2012年10月4日)



2013年6月9日日曜日

宿泊施設について

 今回のフィールドワークでは、ベルリン市ヴィルマースドルフ地区にあるユースホステル、Jugendgästehaus Central Berlinを利用した。

 修学旅行や研修旅行で利用されることが多いようで、滞在中にバックパッカー的な若者個人旅行を見かけることはなかった。

 ネット上ではこのユースホステルに関する非常にネガティブな評価を見ることができるが、ホステル側がホームページ上で弁明し、かつ警告ているように、何らかの恨みを持った人物が悪意を込めて書きこんだものと思われる。

 たしかにユースホステルである以上、サービスや設備は簡素なものに留まる。けれども、宿泊料金が安いのであれば、それも当然のことであろう。そもそも、ユースホステルを利用することでコストを抑えることができたのであり、私たちのプログラムにはありがたいものであったことは強調しておきたい。


画像集 その1