2013年6月24日月曜日

ベルリンのアイス事情


ベルリンのアイス事情

10k2034 伊藤友雅里

10k2052 今泉ありさ


目次
1.はじめに
2.調査したアイスの店
3.フレイバーの統計
4.アイスの特徴
 4-1珍しいアイス
 4-2お菓子味のアイス
 4-3様々なヨーグルトフレイバー
5.移動アイス屋
6.コーン・カップ
7.ショーケースの飾付け
8.東西の価格比較



1.はじめに

  私たちは、ベルリンのアイスについての調査をした。ドイツのアイスはイタリアのアイス職人により伝えられたため、フランスなどと同様にイタリアからの影響を強く受けている。1969年にはイタリアンアイスクリーム製造業者協会が設立された。またドイツには規制があるため、アイスを製造するためには専門の過程を修了する必要があるという 。



2.調査したアイスの店

 調査した店は20か所(表1)。アイスの値段や数は店により様々である。調査した中で一番多かった店が「Mövenpick」というスイスのアイスメーカーである。Mövenpickは、まだ日本には上陸していないが 、世界の30カ国を超える国々で販売されており、サーティーワンやハーゲンダッツに匹敵する世界的に有名なアイスメーカーの一つである。4か所のMövenpickの店を調査したが、店ごとにフレイバーの数は異なっており、値段も1.1ユーロから1.9ヨーロと幅広い事が分かる。
表1.調査したアイスの店



店名

場所

値段(ユーロ)


Alteatro 

Ostbahnfon

1.2

32

Mövenpick

ブランデンブルク門

1.1

6

Mövenpick

Tauentzien Straße

1.9

15

Ice Cream Shake

ハッケシェヘーフェ

1.7

14

トルコ市場のアイス屋

トルコ市場

1.0

40

Zanetti Eis

Zoologischer Garten

1.3

16

Mövenpick

617日通り蚤の市

1.5

9

kauf dich glücklich

Oderberger Straße

0.8

11

Pingolino Eis

Oderberger Straße

0.9

16

Eisstübchen Madlen

Oderberger Straße

0.9

13

Piazza Rossa

Potsdam Hbf

1.0

18

Café Wilhelm

ペルガモン博物館

1.01.2

9

Ital-Eis

Bernauer Straße

0.8

9

Barletta-Eis

ジャンダルメンマルクト前

1.2

12

Mövenpick

KaDeWe付近

1.5

10

Fast Food Schnell Imbiß

ホロコースト記念碑付近

1.2

9

Cafe Zoo

Zoologischer Garten

1.0

8

Allerto Eis

CENTRAL付近 

0.9

20

Café Engelchen

PragerPlatz

1.0

20

Ital-Eis Da Dalt

Steglitz

1.0

29




3.フレイバーの統計

  調査したアイスの総数が316個(名前が読みとれなかったもの3個、名前がなかったもの1個)。フレイバー別に統計をとったところ、全部で133種類のアイスがあった。
  フレイバーの中で最も数が多かったのが、バニラで20店舗中19店にあった。次にストロベリー、チョコレートと続いている(図1)。上位に入っているアイスは、比較的日本でもメジャーなものが多い。しかし、中には日本ではあまり見かけることのできないピスタチオやラムレーズンなども上位に入っている。
  10店にあったストラチアテラというアイスは、バニラベースにチョコレートの塊が入ったアイスで、チョコレートチップのアイスと似たアイスだが、ヨーロッパではストラチアテラと呼ばれている。


   図1.フレイバーの順位(単位:店舗数)


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    写真1.ヴァルトマイスター(Waldmeister)  

 

    
    写真2.ヴァルトマイスターの葉っぱ

 

4.アイスの特徴

4-1珍しいアイス
  私たちの調査したアイスが133種類もあったように、アイスの種類はとても豊富で、日本では見かけることのできないアイスも多く見られた。例えば、マフィンや綿菓子、バラやイチジクなどといった味のアイスである。
  中にはヴァルトマイスターという初めて聞くアイスもあった(写真1)。このヴァルトマイスターというアイスは、緑色をしたアイスで、私たちが調査した店でも4件の店にあった。ヴァルトマイスターとは、くるまば草というハーブである(写真2)。ベルリンの名物ビール、ベルリナーヴァイセでも使われている。
4-2お菓子のアイス
  お菓子の味をしたアイスも少なくなかった。ドイツで売られているキンダーショコラーデというチョコレート(写真3)をアイスにしたものから、私たちも馴染みのあるキットカットや、スニッカーズもアイスとして売られている。バブルガム以外は、チョコレートのお菓子をアイスにしたものである。

表2.お菓子味のアイス


フレイバー名

元になったお菓子

Snickers

スニッカーズ

Extra Black

エクストラ ブラック

Bubble Gum

バブルガム

Kit Kat

キットカット

Kinder-Schokolade

キンダーショコラーデ

Smarties

スマーティーズ

Mozart

モーツアルトチョコ

After Eight

アフターエイトチョコ










    写真3.キンダーショコラーデ


   写真4.フローズンヨーグルト(Ice Cream Shake)   


   写真5.無花果・クルミヨーグルト(Alteatro)


表3.様々なヨーグルトフレイバー
フレイバー名
味、材料
Joghurt Erdbeere
ストロベリー
Joghurt Kirsch
サクランボ
Joghurt mit Amarena
アマレーナチェリー
Creme Mango Yoghurt
マンゴークリーム
Joghurt Walnuss-Feige
無花果・クルミ
Joghurt-Himbeer
ラズベリー
Frozen Yoghurt
フローズンヨーグルト
Joghurt Rote Grütze 
ベリー類の砂糖煮
Joghurt Waldfrüchte
ベリー類
Joghurt Waldbeere 
ベリー類
Griechischer Joghurt Honing 
ギリシャ風ハチミツ

4-3様々なヨーグルトフレイバー
  ヨーグルト味のアイスも種類が豊富である(表3)。一番多かった味は普通のヨーグルト味であるが、中には無花果、木苺やサクランボ味の物もあった。



5.移動アイス屋

  ここで、ベルナウアー通りのベルリンの壁記念館資料センターの近くで見つけた個性的な店「Ital-Eis」を紹介したい。アイスの価格は0.8ユーロと私たちが調査した中で最も安いものであった。フレイバーの数は9種類と少なく、ファンタとコーラ味のアイスはここでしか売られていないようだった。また、スマーフという青色をしたアイスも売られていた。スマーフは、この店のほかに2つのお店で扱われていた。このお店は、メニューが全て手書きで書かれており、他の店と比べて少し雑な印象を受けた。また車で販売している、移動式の店はこの店だけで、ドイツにはこのようなアイス屋もあるということが分かった。


  写真6.店

            


               表4.メニュー表



Schokolade

チョコレート

Stracciatella

ストラチアテラ

Nuss

ナッツ

Fanta

ファンタ

Cola

コーラ

Waldmeister

ヴァルトマイスター

Erdbeer

ストロベリー

Zitrone

レモン

Schlumpf

スマーフ





 











     写真7.値段


    写真8.アイス


     写真9.ファンタ



     写真10.メニュー表      



    写真11.スマーフのアイス(ただし写真はCafé Engelchenのもの)



6.コーン、カップについて

  アイスを盛り付けるものは、コーンかカップ。どちらかを選ばせてくれるお店もあったが、何も言わなければ、コーンに盛りつけられた。どうしてもカップがいい場合は、自ら店員に言わなければならない。
  コーンは、主にワッフルコーン。日本のようにワッフルコーンにしたからといって、料金が高くなるわけではない。日本で、よく見かけることのできるウエハースコーンを取り扱っているお店もあったが、ごくわずかであった。私たちが行ったお店の中ではペルガモン博物館前のCafé WilhelmとItal-Eisだけであった。カップを注文すると、ワッフルコーンをアイスの上につけてくれるお店もあった。



    写真12.ワッフルコーン     


     
    写真13.カップ

              

    写真14.ワッフルコーンのついたアイス  




   写真15.ウエハースのコーン



7.ショーケースの飾付け

  ショーケースから見えるアイスに飾り付けを施している店もあった。飾りはアイスごとにそのアイスに関連するものが飾り付けられていたり、チョコレートやソース、トッピング(カラフルのつぶつぶしたもの)がかかっていることもあった。私たちが食べたアイス中では、飾られているものをアイスにのせてくれることはなかった。このような飾りがある店は、AltearoとCafé Engelchen。他にも、この2つの店ほど華美でないが、多少の飾り付けをしてくれるという店は4店舗あった。
 また、アイスが缶に入っているという場合もある。このようなアイスの入れ方をしているのは、ハッケシェヘーフェ内にあるICE CREAM SHAKEだけであった。この店は主にジェラートを扱っているお店である。
 チェーン店のMövenpickの飾り方であるが、すべてのMövenpickが似たような飾り付けである、日本でもよく見かけることのできる類のショーケースであった。



    写真16.Alteartoのショーケース  


         
    写真17.ICE CREAM SHAKEのショーケース


   写真18.Mövenpick(6月17日通りの蚤の市)のショーケース 


表5.東西別アイスの価格



(旧西ベルリン側のアイス店)

 

(旧東ベルリン側のアイス店)

 

Mövenpick(タウエンチーン通り)

1.9

Alteatro

1.2

Ice Cream Shake

1.7

Mövenpick(ブランデンブルク門付近)

1.1

Eis Café(トルコ市場のアイス屋)

1.0

Kauf Dich Glücklich

0.8

Zanetti Eis

1.3

Pingolino eis

0.9

Mövenpick617日蚤の市)

1.5

Piazza Rossa

1.0

Mövenpick (KaDeWe付近)

1.5

Café Wilhelm

1.01.2

Cafe Zoo 

1.0

Eisstübchen Madlen

0.9

Allerto Eis

0.9

Ital Eis

0.8

Café Engelchen  PragerPlatz

1.0

Barletta-Eis

1.2

Ital-Eis Da Dalt

1.0

Fast Food Schnell Imbiß

1.2

西の値段の平均

1.28

東の値段の平均

1.02




8.おわりに

  最後に、東西の違いについて触れておきたい(表5)。調査したアイスの店を東西に分けて価格を比較したところ、東のほうが平均価格が安いということが分かった。
  また価格の幅にも東西の違いを指摘できる。西が0.9ユーロから1.9ユーロと1ユーロも差があるのに対し、東は0.8ユーロから1.2ユーロと差が少ない。
  こうした違いは、未だに残る東西間の経済状況の差に起因しているのではないかと思う。


<参考資料>




2013228日アクセス。



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